「食料品の消費税ゼロは愚策だ」。減税を求める声がこれだけ強いいま、国会でそう言い切った議員がいます。参政党の安藤裕議員です。少し意外に聞こえるかもしれません。私も最初は「減税に反対なのだろうか」と身構えました。でも発言をたどっていくと、話はまったく逆で、しかも「食料品だけゼロ」よりもずっと大きな問いに行き着きました。
きっかけは2026年7月16日、読売新聞オンラインが同日6時41分に配信した党首討論の記事です(Yahoo!ニュース版はこちら)。この記事によると、高市首相は消費税減税にこだわる姿勢を見せ、「税率をぱっと下げる柔軟性を持てるシステムを構築するチャンス」と述べ、食料品を8%から0%にすれば1人あたり年4万円超の減税になる、8月初めまでに判断する、と語ったと報じられています。
この記事では、「食料品の消費税ゼロは愚策か」という入口から出発します。そして安藤議員の本当の主張、つまり「食料品だけ」ではなく「消費税そのものを廃止せよ」という本丸へ進み、最後に一番知りたかった問い、なぜ高市政権はその廃止案を採れないのかにたどり着きます。国会会議録と財務省の資料を一次情報として確認し、確認できたことと確認できなかったことを分けてお見せします。反対側の論点も、政府側・安藤側のどちらにも同じ強さで並べます。
確認できたこと・できなかったこと(食料品 消費税ゼロ 愚策の論拠)
先に全体像です。この記事で私が一次情報まで当たれたこと、当たれなかったことを、はじめに分けて置いておきます。
✅ 確認できた事実
- 高市首相が2026年7月16日の党首討論で、食料品8%→0%で1人年4万円超の減税、8月初めまでに判断、と語ったと報じられた(出典:読売新聞オンライン/Yahoo!ニュース版)
- 安藤裕議員が国会で「食料品だけゼロ」を批判し、価格が税率どおり下がらない・飲食店は増税になる、と述べた(出典:国会会議録・2026年4月7日 参院予算委ほか)
- 安藤議員の本丸は「消費税は廃止するしかない」で、代替は「消費税分を法人税に上乗せする振替」と国会で明言している(出典:2025年12月3日 参院本会議/2025年12月15日 参院予算委)
- 消費税収(国税分)は令和8年度予算で26.7兆円、社会保障4経費の合計は34.6兆円(出典:財務省)。食料品ゼロの減収は国で年約5兆円、地方で約1.6兆円と試算されている(出典:日本経済新聞・林総務相の試算報道)
- 財源を示さない大幅減税には、市場の財政不安から円安・金利上昇・インフレを招くという反対論がある(出典:野村総研・木内登英氏コラム/日経エコノミクスパネル)
❓ 現時点で確認できていないこと
- 安藤議員が「段階的廃止」や税率の刻みを設計として語ったか(確認した会議録6日分には本人発言が見当たらず)
- 法人税への振替で消費税廃止分(約31兆円)を実際に賄えるかの規模試算(本人の国会発言には見当たらず)
- 消費税を全廃した場合の円・金利・インフレの定量試算、法人税を実質倍増させた場合の経済影響の第三者試算(今回は取得できず)
- 「食料品ゼロには専門家の約9割が否定的」とされる日本経済研究センターの調査数値(作成時点でページを開けず、数値を自分で確認できなかった)
「食料品だけゼロ」は愚策か 安藤裕議員の論拠
まず入口の問いです。安藤議員はなぜ「食料品だけの消費税ゼロは愚策」と言うのでしょう。減税そのものに反対しているわけではありません。理由は主に2つで、どちらも国会で本人が述べています。
理由1:価格は税率どおりには下がらない
1つ目は「税率を8%下げても、店頭の値段が8%下がるとは限らない」という指摘です。2026年4月7日の参院予算委員会で、安藤議員はこう述べています。「食料品だけ消費税ゼロにしたら八%食料品の価格がきれいに下がると思ってしまうんですよ。そんなことは実際には起きませんから」(会議録・2026年4月7日 参院予算委)。
同じ趣旨を、少し前の2025年11月14日の参院予算委でも問いかけています。「全ての食料品の価格はきれいに八%下がるんでしょうか」(会議録・2025年11月14日 参院予算委)。つまり、減税分がどこまで消費者に届くかは、店の値付け次第で見えにくい、という論点です。
理由2:飲食店はむしろ増税になりうる
2つ目が、私には一番意外だった論点です。食料品をゼロにすると、飲食店はかえって負担が増えうる、というのです。「食料品の消費税をゼロにすると飲食店は仕入れ税額控除が取れなくなるので間違いなく増税になる」(会議録・2025年11月14日 参院予算委)。
仕組みはこうです。いまの消費税は、仕入れにかかった消費税を、売上にかかった消費税から差し引いて納めます(仕入れ税額控除)。もし食材の仕入れが非課税(ゼロ)になると、この差し引く元がなくなる一方、店が客からもらう料理の消費税は残る。すると差し引きが減って納税が増えうる、という理屈です。安藤議員は「価格が税率どおり下がらなかった場合には、飲食店は増税のダメージが発生するので経営は悪化する」とも述べています(会議録・2025年11月14日 参院予算委)。
📌 ここで一つ、正直に:一部の報道では「食料品ゼロで農家もダメージ」という論点も紹介されています。ただ、私が確認した安藤議員の国会発言6日分の中には、農家への打撃を本人が語った箇所は見つけられませんでした。ですのでこの記事では、その部分を安藤議員の主張としては扱いません。確認できた範囲だけを載せます。
安藤裕議員の本丸は「食料品」ではなく消費税そのものの廃止
ここが橋の渡りどころです。「食料品だけゼロは愚策」というのは、実は入口にすぎません。安藤議員の本丸は、消費税という仕組みそのものを無くすことにあります。
「消費税は廃止するしかない」
2025年12月3日の参院本会議で、安藤議員はこう述べています。「これらの現状から見て、消費税は廃止するしかないと考えます」(会議録・2025年12月3日 参院本会議)。当面の緊急措置としては「消費税の一時停止、課税の一時停止、こういったことも考えるべき」とも語っています(会議録・2026年3月18日 参院予算委)。食料品という一部の品目の話ではなく、消費税ぜんぶを止める、という主張です。
なぜ「廃止」なのか──消費税の性質への批判
安藤議員が消費税を欠陥だと見る理由は、いくつかの角度に分かれます。順に、本人の言葉で見ていきます。
実質は「売上税」だという指摘。「消費税というのは売上税です。売上げに課税している税金です」(会議録・2025年11月14日 参院予算委)。消費者が払う税というより、事業者の売上に対してかかる税だ、という見立てです。
赤字でも課税されるという指摘。「赤字の企業だったら当然、利益がないので法人税は掛かりませんけれども……消費税は納税額が発生するんですね。赤字の企業にも納税額が発生します」(会議録・2026年4月7日 参院予算委)。安藤議員は、これを「事実上利益プラスインボイスのない経費の部分に課税しているのと同じ」で、そこが消費税が付加価値税と呼ばれるゆえんだ、とも説明しています(同じ2026年4月7日の参院予算委での発言)。
「賃上げ妨害税」だという指摘。「消費税とは賃上げ妨害税なのです」(会議録・2025年12月3日 参院本会議)。予算委でも「消費税というのは賃上げ妨害税です」と繰り返しています(会議録・2025年11月14日 参院予算委)。人件費は、仕入れのように控除できないため、賃上げすると納税が増えてしまう、という論です。あわせて「消費税とは、間接税ではなく、事業者に課せられた直接税であるというべきもの」とも述べています(同じ2025年12月3日の参院本会議での発言)。
滞納が増えているという指摘。安藤議員は、消費税の新規滞納の発生額として、令和4年度3,630億円、令和5年度4,383億円、令和6年度5,298億円という数字を国会で示しています(2025年12月3日 参院本会議/2026年4月7日 参院予算委で同じ数字)。これは安藤議員が国会で示した数字として読んでください(原資料での一件ずつの突合まではしていません)。
「安定財源」論への反論。政府は消費税を社会保障の安定財源だと説明します。これに対し安藤議員は「景気が悪いとき……赤字になっているときにも変わらず取られ続ける消費税、これは果たして安定財源として考えていい税金なんでしょうか」と問い返しています(会議録・2026年4月7日 参院予算委)。ここは、後半の「なぜ政府は廃止を採れないのか」に直結する論点です。
大事なのは、これらが「食料品だけの話」ではない、ということです。安藤議員が立っているのは、消費税という制度そのものを問う土俵です。ここまで来ると、冒頭の「食料品ゼロは愚策か」という問いは、もっと大きな問いの入口だったことが見えてきます。

なぜ高市政権は「消費税廃止」を採れないのか──財政観の違い
ここがこの記事の芯です。安藤議員の主張がこれだけはっきりしているのに、高市政権はそれを採りません。単に「野党の言うことだから」ではないと私は考えます。二人が立っている土俵、つまり「税とは何か」という財政の見方そのものが違うからです。順に、どちらの土俵にも同じだけ足を置いて見ていきます。
政府の土俵──消費税は残し、税率だけをいじる
高市政権が動いているのは、あくまで「消費税という制度は残したまま、税率を上げ下げする」土俵です。廃止は選択肢に入っていません。そのうえで、食料品ゼロですら財源の重さに直面します。
財務省によれば、消費税収(国税分)は令和8年度予算で26.7兆円、社会保障4経費(年金・医療・介護・少子化対策)の合計は34.6兆円です(財務省)。食料品ゼロで消える税収は国で年約5兆円、これは国税消費税収のおよそ2割にあたります。さらに地方分として約1.6兆円(地方消費税分1兆円+地方交付税分7000億円)が減ると、林芳正総務相が衆院予算委で示したと報じられています(日本経済新聞・2026年6月22日)。
だからこそ政府案は「2年限定」です。高市首相は「2年後には元に戻す。これははっきり申し上げておく」と述べ、戻す先は軽減税率の8%だと各紙が説明しています(同・日経2026年6月22日)。ここで注意したいのは、「消費税は社会保障の安定財源だ」という言い方は政府側の説明であって、中立の事実ではないという点です。この記事ではそれを政府の立場として扱い、鵜呑みにはしません。安藤議員がまさにその「安定財源」論に反論していたことを思い出してください。
高市首相自身の言葉も、時期によって変わっています。まず事実だけを並べます。報道の整理によると、発言は2025年前半の「国の品格として食料品の消費税率は0%にすべき」から、総裁選後の「すぐ対応できることを優先」「レジ改修に時間がかかる」「即効性がない」を経て、2026年1月の「私自身の悲願だった」へと動いています(日本経済新聞・発言時系列の整理)。
ここからは私の解釈です。首相個人の内心を私が知るすべはありません。ただ、この発言の並び方を見ると、持論としては食料品ゼロに前向きでも、財源と実務という制約に直面する局面では表現が慎重に振れているように読めます。断定はできませんが、その振れ幅自体が、消費税を残す前提という政府の土俵の狭さを映しているのではないか、と私は見ています。
安藤議員の土俵──法人税への振替と積極財政
一方の安藤議員は、そもそも「消費税を残す前提で財源を探す」という発想を採りません。廃止した分をどうするか。本人が国会で示した具体策は「法人税への振替」です。「消費税はこの際廃止にして、その分の税率を法人税に上乗せする。そうすれば、赤字事業者に課税されることもなくなるし、賃上げを妨害することもなくなります」(会議録・2025年12月15日 参院予算委)。
背景にあるのは積極財政の考え方です。「これまでの緊縮財政と構造改革路線を転換し……積極財政」(2025年12月3日 参院本会議)、「身を切る改革というのはデフレスパイラル加速装置」(2025年11月14日 参院予算委)といった発言がその線です。ここも一つ正直に置いておきます。「廃止分を信用創造や国債で穴埋めする」とMMT的に直接ひもづけた発言は、私が確認した会議録6日分には見当たりませんでした。ですので「本人の国会提案は法人税上乗せ、思想の背景は積極財政」という言い方にとどめます。
噛み合わない理由──レイヤーが違う
ここまで来ると、二人がなぜ噛み合わないかが見えてきます。政府は「消費税という枠を残したまま、その枠の中で代替財源を探す」立場です。全廃すれば国と地方で約31兆円が消え、その代わりが枠内に見つからない。だから採れない。一方の安藤議員は、「枠の中で代替財源を探す」という発想自体を採りません。枠ごと組み替える立場です。
つまり、高市政権が安藤案を採れないのは、財源を怠けているからではなく、立っている土俵が違うからだ、というのが私のたどり着いた見立てです。政府の土俵では、代替財源が枠内にないから採れない。安藤議員はそもそもその枠を採らない。財政観のレイヤーがずれているので、政府の枠の中でいくら議論しても「納得」には至りようがない。ここが、この記事全体でいちばんお伝えしたかったところです。
ただし、これで「政府が悪い」と一方に倒すのは、この記事のやり方ではありません。安藤議員の土俵にも、確かめきれていない弱点があります。それは次の「反対側から見る」で、政府側のリスクと同じ強さで並べます。
各党はどこに立っているか
安藤議員がどこに立っているかは、他党と並べるとはっきりします。減税を掲げる党は多いのですが、その中身は「消費税を残したまま税率をいじる」もので揃っています。
- 立憲民主党:食料品の消費税を原則1年ゼロにする法案を2025年10月31日に衆院提出。経済情勢で1年延長可、終了のめどに給付付き税額控除、財源は国債を充てず基金取り崩しや外為特会剰余金などとされる(時事通信)
- 国民民主党:食料品限定ではなく、消費税を一律5%へ。賃金が物価を安定的に2%上回るまで、という条件付き(国民民主党・特設サイト)
- 自民党(高市政権):2年限定の食料品ゼロ+給付付き税額控除への「つなぎ」。8月初めまでに社会保障国民会議の結論を待って判断
品目を絞るか、税率を一律で下げるか。手法は違っても、立憲・国民民主・自民はいずれも消費税という制度を残す前提に立っています。一方の参政党(安藤議員)は「制度そのものを問い、全廃せよ」という立ち位置です。確認できた範囲では、税率をいじる各党と、仕組みそのものを問う参政党とで、議論している土俵が分かれていました。どちらの立ち位置が妥当かは、ここでは決めません。読み手が判断する材料として、両者が別の土俵に立っているという事実だけを置いておきます。
反対側から見る──政府側のリスクと、安藤側の弱点を同じ強さで
ここでは、両方の立場に同じだけ厳しく当たります。減税・廃止を進めると何が起きうるか(政府が警戒する側)と、安藤議員の財源案は本当に成り立つか(安藤側の弱点)を、片方だけに逃げ道を用意せずに並べます。
(a) 大幅減税・廃止のマクロリスク(インフレ・金利・円安)
財源をはっきり示さないまま消費税を下げると、市場が「結局は赤字国債で穴埋めするのだろう」と警戒を強め、円安・長期金利の上昇・インフレの加速を招きうる、という反対論があります。野村総研の木内登英氏は、恒久財源の議論を先送りしたまま税率引き下げを進めれば金融市場の財政懸念が高まる、という主旨のコラムを出しています(野村総研・木内登英氏コラム・2026年6月29日)。木内氏はあわせて、5兆円規模の恒久財源を補助金や租税特別措置の見直しで捻出するのは難しい、とも指摘しています(要旨)。なお、このコラムに出てくる補助金4.7兆円・租特2.9兆円といった個別の数字は、私はコラム本文を直接読めておらず、検索インデックス経由の要旨で把握しているにとどまります。数字そのものは断定せず、「そういう指摘がある」という要旨として扱います。
同じ方向の見方として、日経のエコノミクスパネル(経済学者アンケート)でも、財源を示さない食料品ゼロは長期金利上昇や円安と結びつくとの見方が示されています(日経エコノミクスパネル)。
📌 ここは正直に「確認できなかった」と言います:日本経済研究センターが「食料品ゼロには専門家の約9割が否定的」というエコノミスト調査を2026年1月に公表した、という情報があります。ただ、私はこの記事を作る時点で、そのページ自体を自分で開いて「約9割」という数字と日付を確かめることができませんでした(アクセスが通らなかった)。ですので、この「9割」は確認済みの事実としては扱いません。あくまで「そう報じられている」段階の情報として、リンクだけ残しておきます(日本経済研究センター)。数字を確かめられ次第、この記述は差し替えるべき対象です。
そして忘れてはいけないのが規模です。ここまでの反対論は「食料品ゼロ=5兆円規模」でも財政懸念が出る、という話でした。安藤議員の主張する全廃は約31兆円規模で、その何倍にもなります。だとすれば市場リスクの議論は、食料品ゼロより全廃のほうにこそ強く当たるはずです。ただし──ここも対称に置きます──「全廃した場合に円・金利・インフレが実際にどれだけ動くか」を数字で示した試算は、今回私は取得できませんでした。だから「もっと強く当たるはず」というのは、規模から見た推測にとどまります。
(b) 法人税への振替で、廃止分(約31兆円)を賄えるか
安藤側の弱点も、同じ強さで見ます。まず藁人形にしないために、安藤案を正確に置き直します。安藤議員の案は「消費税を廃止し、その税率分をそのまま法人税に上乗せする振替」です(会議録・2025年12月15日 参院予算委)。「法人税は20兆しかないから届かない」と単純に切って捨てるのは、この振替という設計を無視した批判になってしまいます。そこは避けます。
そのうえで規模を見ます。財務省の「一般会計税収の推移」によると、法人税収は近年の増収局面でも令和8年度予算で約20.7兆円です(財務省・PDF)。一方、消費税は国税分だけで26.7兆円、全廃なら国・地方あわせて約31兆円。つまり、いまの法人税収を丸ごと別物に振り替えても、消費税廃止分の規模には届きません。税率を上乗せする設計だとしても、法人税は赤字企業は負担しない利益課税なので、実効税率を数%上げても追加税収は数兆円規模にとどまり、消費税の代替を法人税だけで賄うのは数字のうえで難しい、という第三者の整理が複数あります(税理士向け解説メディア/日本経済新聞)。
ここでも逃げ道を片側だけに作らないために、安藤側に有利にも不利にもならない「未確認」を2つ、はっきり開示します。1つ、安藤議員は「赤字企業に課税されず賃上げも妨げない」という利点は語っていますが、その振替で規模的に31兆円を賄えるかの試算は、私が確認した会議録では語っていません。2つ、法人税を実質倍増級にする案が企業の投資・賃上げ・海外移転にどう響くかを、否定的に定量評価した第三者の試算も、今回は取得できませんでした。つまり「足りる」とも「破綻する」とも、私は断定できません。政府側のインフレ・金利リスクに定量試算が無いのと、ちょうど同じ状態です。
確認できなかったこと・不明な点
ここはこのメディアの核心です。今回、裏が取れなかったことを隠さずに並べます。これらは記事の中で断定していません。
- 安藤議員の「段階的廃止」や税率の刻み──確認した会議録6日分に本人発言が見当たらず。提言書本文の確認が必要
- 「廃止分を信用創造・国債で穴埋め」とMMT的に直接ひもづけた発言──会議録6日分に見当たらず
- 「食料品ゼロで農家がダメージ」──安藤議員本人の国会発言としては確認できず(報道ベースの論点)
- 輸出還付が5%時代の約2倍という指摘──本人の国会発言としては確認できず
- 2026年6月5日とされる高市首相への反論質疑──会議録では未収録(本人の直近確認発言は2026年4月7日)
- 減収試算「食料品ゼロ約5兆/一律5%約15兆/全廃約31兆」の財務省単独の公開原典──複数の報道が「財務省試算」として一致して伝えているが、財務省サイト上の単独ページは今回見つけられず
- 消費税を全廃した場合の円・金利・インフレの定量試算、法人税を実質倍増させた場合の経済影響の第三者試算
- 日本経済研究センターの「約9割が否定的」の数値・日付──作成時点でページを開けず、自分で確認できなかった
読者への考察ポイント
入口の「食料品の消費税ゼロは愚策か」という問いを、最後にもう一度手に取ってみます。安藤議員の論をたどると、この問いは実は「消費税とは何か」という、もっと根っこの問いに行き着きました。値段が税率どおり下がらない、飲食店がかえって増税になる──そうした「食料品だけゼロ」への疑問は、消費税という仕組みそのものへの疑問の入口だったわけです。
そして「なぜ高市政権は廃止を採れないのか」への私の答えは、「財源をサボっているから」ではなく「立っている土俵が違うから」でした。政府は消費税という枠を残す。安藤議員は枠ごと組み替える。この違いは、どちらが正しいという前に、そもそも議論が噛み合わない構造をつくっています。
だからこそ、読み手に考えてほしいのは「税率を何%にするか」の一段手前です。消費税を、社会保障を支える安定した柱と見るのか、それとも赤字でも賃上げしても取られ続ける欠陥だと見るのか。ここでどちらに立つかで、食料品ゼロが「効く一手」に見えるか「愚策」に見えるかが変わります。答えは押し付けません。ただ、入口のニュースの向こうにこの対立があることは、知っておいて損はないと思います。
まとめ
入口から芯まで、確認できたことは確認できたと示し、法人税振替の規模やマクロ試算のように裏が取れなかったことは政府側・安藤側のどちらにも同じ強さで開示しました。どちらの立場が正しいかを、私はここで決めません。決められるだけの一次情報が、まだ両側とも揃っていないからです。私にできるのは、何を確かめられて、何を確かめられなかったかを、そのままお見せすることだけです。
私たちはニュースの真実を保証しません。ただし、真実を追求し、何を確認できて、何を確認できなかったか、そのプロセスをすべて開示します。
