この記事で取り上げる動画には、かなり厳しいことを言っている場面が多く、ワードが伏せられた場面もたくさんあります。そのうち3つの話については、伏せられたワードが何なのか、確証はないものの、かなり分かった部分もあります。だからこそ、具体的なワードは私たちも伏せさせてください。はっきり書くと、名誉毀損や商品の販売の妨害になりかねないためです。そのうえで、動画で言っていることが本当に本当なのかを調べました。
今回取り上げるのは、YouTubeチャンネル「コヤッキースタジオ」が公開した「老害が増えすぎた本当の理由とは?真相解明WEEK(第三夜)」という動画です。コヤッキーさんと、とーやさんと、ゲストのはやともさんの3人が、思い込みや老いをテーマに話す中で、乳酸菌飲料、健康にまつわる本、ホエイプロテインと大腸がんという3つの話題に触れています。いずれも、話の中で具体的なワードが聞き取れないようになっています。
私はGemini・Claude・Grokといったツールの見解を聞き、この記事を作っています。動画の音声は文字起こしのツールを通して読み、文字起こしで聞き取りにくかった発言は私が聞き直しもしますが、はっきりしなかった部分ははっきりしない部分として記事を進めます。調べるときに使ったのは、動画の中の発言と、公的機関や学会などが公開している資料です。
死菌と生菌の違い・健康本・プロテインと大腸がんリスク、確認できたこと・できなかったこと
この記事は10軸で独立検証しています。
✅ 確認できた事実
- 乳酸菌飲料には、生きた菌を含む「生菌タイプ」と、加熱殺菌した菌を含む「殺菌タイプ」の2種類があります(出典:ねとらぼ、2016年3月9日掲載・同10日追記)。
- 国が許可した特定保健用食品(トクホ)の中には、「生きたまま腸に届く」趣旨の表示を持つ商品があります(出典:消費者庁「特定保健用食品許可(承認)品目一覧」)。
- 動画では、ある乳酸菌飲料について「全部死んでますからね」という発言がありました。
- 現在流通しているプロバイオティクス飲料の菌株のほとんどは、腸に一時的にとどまるものの長期間は定着しないと認識されている、という日本薬学会の解説があります(出典:ファルマシア、2017年)。
- 国立がん研究センターの研究(JPHC、日本人93,310人・平均19.3年追跡)では、男性で乳製品の摂取が多い群の全死亡・循環器疾患死亡のリスクが低いという結果が出ています。女性では明確な関連は見られませんでした(出典:国立がん研究センター)。
- 動画では、ある健康本について、本の内容を強く否定する発言がありました。
- 動画では、ホエイプロテインの摂り過ぎと大腸がんを結びつける発言がありました。
- 国立がん研究センターの研究(JPHC)では、赤肉・肉類の摂取が多い群で結腸がんのリスク上昇が報告されています(出典:国立がん研究センター)。
❓ 現時点で確認できていないこと
- 動画で伏せられた3つのワード。見当はついていますが確証はないので、書きません。
この動画で何が起きたか
動画は老いや思い込みについて話す約37分の対談です。その中で、健康や医療に関わる3つの話題が出てきます。乳酸菌飲料の話、健康本の話、ホエイプロテインと大腸がんの話です(最後の話では、実在の人物の病気にも触れられていました)。
ケース1・乳酸菌飲料――生菌タイプと殺菌タイプ、腸に住みつくかどうか
動画で何が言われたか
納豆の話に続けて、動画は乳酸菌飲料の話に移ります。
「これは多分ピーしないと、コヤッキーさんのチャンネルがちょっと危ないこと言いますけど」
この発言のあと、ある商品を指すとみられるワードが伏せられたまま、続けて「乳酸菌って全部死んでますからね」と話しています。「これはピー入っちゃったんじゃない?」という発言に対し、次のように補足しています。
- 「菌って死菌でもいいんですよ、死んだ菌。でも中を通ってる間は生きてる菌と同じ働きをしてくれるんで問題ないんですけど、その定着しないってことですね」
- この商品が「定着するかのように言ってる」として、強い言葉で否定的に評価しています
- 加熱処理によって菌が死んでいる、という趣旨の発言のあと、「なんでラベリングしてる時点で死んでます」
- 糖分の添加物によって血糖値スパイクが起こりやすくなる可能性があり、健康への良し悪しで言えば悪い可能性のほうが高い、という趣旨のことも話しています
動画は「全部死んでいる」ことと「定着しない」ことを、あまり区別せずに続けて話しています。この2つは別の話です。
なぜ伏せたと考えられるか
動画は自分で理由を話しています。「ピーしないと、コヤッキーさんのチャンネルがちょっと危ない」という発言です。
動画は、この商品について「あれらの商品の罪深いのは、定着するかのように言ってるんですよ」と話していました。実在の商品を名指しして強い言葉で評価すると、その評価の前提になる事実が確かめられない場合、名誉毀損や信用の侵害の問題になりうると考えています。
調べてみると何が言えるか
乳酸菌飲料は、大きく2つのタイプに分かれます。ねとらぼの記事によれば、業界の一般的な整理では、生きた菌をそのまま含む「生菌タイプ」と、加熱殺菌した菌を含む「殺菌タイプ」があります。
出典:ねとらぼ(2016年3月9日掲載)、消費者庁「特定保健用食品許可(承認)品目一覧」(令和8年9月1日更新)。
動画の「全部死んでいる」は、伏せられた商品が殺菌タイプだった場合には合います。一方で、食品ごとに国が審査して許可する特定保健用食品(トクホ)の中には、「生きたまま腸に届く」趣旨の表示を許可されたものが、複数の企業の商品にわたってあります(消費者庁「特定保健用食品許可(承認)品目一覧」令和8年9月1日更新時点で42品目・8社。大半ははっ酵乳〈ヨーグルトなど〉で、乳酸菌飲料も含む件数です)。伏せられた商品がこうした表示を持つ生きた菌のタイプだった場合には、少なくとも表示のうえでは合いません。
動画は「定着しない」と話していました。日本薬学会のファルマシアの解説(野本康二・東京農業大学、2017年)には、現在流通しているプロバイオティクス飲料の菌株のほとんどは腸を通り抜ける菌で、一時的に腸にとどまって働くものの、長期間定着することはないと認識されている、とあります(出典:ファルマシア)。生きた菌でも長期間は定着しないと書かれているので、殺菌した菌が定着しないという動画の話とは食い違いません。
動画は「死んだ菌でも、腸を通る間は生きてる菌と同じ働きをしてくれる」とも話していました。日本食品科学工学会誌の解説(萩達朗・農業・食品産業技術総合研究機構、2023年)には、死んだ菌は今の分類では「ポストバイオティクス」に含まれるものの、その定義は今も議論されている、とあります(出典:日本食品科学工学会誌)。死んだ菌が生きた菌と同じ働きをするのかは、調べてみたのですが確かめられる資料を見つけられませんでした。
摂った菌が長期間は定着しないのなら、効果を期待するには飲み続けることになります。ファルマシアの解説には、健康な子どもが同じプロバイオティクス飲料を6か月間飲み続けて腸内フローラが改善し、飲むのをやめて6か月後には試験前の状態に戻った研究が紹介されていて、筆者は継続して摂ることの意義を強調するものだと書いています。動画が挙げた糖分も、飲み続ければ摂り続けることになります。
糖分については、各商品の正確な数値をそれぞれ得られなかったためここまでとします。
一方で、逆方向に読める材料もあります。国立がん研究センターの研究(JPHC)では、日本人男性で乳製品(牛乳・チーズ・発酵乳製品を合算したもの)の摂取が多い2つの群で、全死亡のリスクがそれぞれ0.89倍・0.87倍、循環器疾患死亡のリスクが0.78倍・0.77倍でした(出典:国立がん研究センター)。女性では明確な関連は見られていません。これは乳酸菌飲料だけを取り出した結果ではなく、観察研究のため因果関係を示すものでもありません。
腸内細菌の働きを基礎から知りたい方には、次の本が参考になります。
ケース2・健康本――「一部に当てはまる話」と「全員に当てはまる話」
動画で何が言われたか
動画の終盤、ある健康本について、本の内容を強く否定する発言をしています。
その少し後、とーやさんが「まあだって嘘やん」と口にしています。
続けて、動画は次のように話しています。
- 「間違っていると言おうもんなら叩かれるし」という発言のあと、そうした空気が定着してしまっている、という趣旨のことを話しています
- 「日本人の人口の全体の3%以下にあてはまるアレルギーだったりとかっていうのにフィットしているので、そのミニマム・ミクロな単位っていうのをすごく広く拡大解釈した時に、みんなそうすべきなんだ!っていう感じになるんですよ」
- 「3%以下の人には事実なので、コメント欄とかにも、私は治ったからこの人は本物です、みたいになるわけですよ。けどすごくミクロな単位であって、別に全体にあてはまるとは限らない」
この後、知人の医師から聞いたという話(果物だけで暮らす人の話)が続き、一人の例だけでは科学的な根拠にならない、という趣旨で締めくくられます。
なぜ伏せたと考えられるか
実在の本を名指しして強い言葉で評価すると、その前提が確かめられない場合などには、商品の場合と同じく、名誉毀損や信用の侵害の問題になりうると考えています。
調べてみると何が言えるか
動画はこの本について「嘘しか書いてない本があるんですよ」と話していました。ただ、どの本かに確証がないので、本の中身が正しいのか、「嘘」と言えるのかは確かめようがありません。
動画が挙げた「3%以下」が何の統計を指すのかは、調べてみたのですが分かりませんでした。
動画で使われている批判の理屈は、「ごく一部の人に当てはまる話を、全員に広げて語っている」というものでした。この理屈が成り立つ場面が実際にあるかどうかは、一般論として確かめられます。
例えば、一部の人に向けた注意が、その外側の人にとっては同じ意味を持たない例が、公的な資料にあります。厚生労働省は、妊娠中の人に向けて、魚介類の食べ方についての注意事項を公表しています。同じページには、平均的な日本人の水銀摂取量は健康への影響が懸念されるレベルではないこと、魚介類は健康的な食生活にとって不可欠で優れた栄養特性を持っていることも書かれています。水銀含有量の高い魚介類を偏って多量に食べることを避け、魚食のメリットを活かしていくことが望まれる、というのが厚生労働省の書き方です(出典:厚生労働省「魚介類に含まれる水銀について」)。妊娠中の人向けの注意を、そのまま全員に当てはまる話として読むことはできません。
健康情報の根拠をどう読むかを知りたい方には、次の本が参考になります。
ケース3・ホエイプロテインと大腸がん――相関関係と因果関係
動画で何が言われたか
動画は動物性たんぱく質、とりわけホエイプロテインの話に移ります。ホエイプロテインはあまりよくないのではないか、という趣旨の発言のあと、こう続けます。
「実は大腸で腐敗して、消化しきれなくなってることが多いんですよ」
続けて「今、世間で言われてる体重の2倍摂れとかっていうのは、明らかに摂り過ぎなんですよ」と述べたうえで、たんぱく質を多く摂っている人たちが、ある病気になりやすいという趣旨の発言があり、「大腸がんです」と続けます。
なぜ伏せたと考えられるか
この後、動画では実在の人物の病気の話が出ますが、その人物を指すワードは伏せられています。病気の原因は外から言い当てられるものではありませんし、病気のことは本人以外が推測で語ってよい話でもないと考えています。
調べてみると何が言えるか
ここで分けて考える必要があるのは、「動物性たんぱく質全般の摂りすぎ」という広い主張と、「ホエイそのものに原因がある」という狭い主張です。
国立がん研究センターの研究(JPHC)では、赤肉や肉類全体の摂取が多い群で結腸がんのリスク上昇が報告されています(出典:国立がん研究センター)。赤肉や肉類に限れば、一部支える研究があります。一方、動物性たんぱく質全体を対象にした別の研究では、総たんぱく質・動物性たんぱく質の摂取割合と死亡に明らかな関連は見られていません(出典:国立がん研究センター。この研究は死亡を調べたもので、大腸がんの罹患だけを見たものではありません)。
カルシウムの摂取量が多い男性では、むしろ大腸がんのリスクが低いという報告もあります(出典:国立がん研究センター)。これらの研究はホエイそのものを調べたものではありません。ホエイに絞った人の研究は、探してみましたが見つけられませんでした。
動画では、摂りすぎたたんぱく質が大腸で腐敗すると説明しています。ラットにホエイを含む餌を与えた実験では、むしろ結腸の腫瘍を防いだという報告もあります(この実験の論文そのものは、私は読んでいません)。
もう一つ、動画とは別に、「大腸がん患者にホエイ摂取者が多ければ、それは因果関係と言えるのではないか」という見方も検討できます。ただ、これだけでは因果関係とは言えない理由が3つあります。
- 比べる相手がいません。大腸がんではない人の中でホエイをどれだけの人が摂っているかという統計が、今回は見つかりませんでした。
- 交絡が調整されていません。筋トレをする人は、大腸がんのリスクを下げる方向に働くとされる運動量の多さだけでなく、高たんぱく食全般や健康診断の受けやすさなど、結果をどちらの向きにも動かしうる要因も同時に持ちやすい人たちです。
- 仮に「患者に多い」という結果が得られても、量と反応の関係や、他の研究での再現がなければ、因果関係の推定はそれだけでは強まりません。
血中のIGF-1というホルモンと大腸がんリスクの関連を示す研究は複数あると言われています(それらの論文そのものは、私は読んでいません)。運動が大腸がんリスクを下げる仕組みの一つとしても、このホルモンの働きが挙げられています(出典:国立がん研究センター)。ホエイの摂取量がこのホルモンを介して大腸がんにつながるという仕組みは、理論としてはあり得ますが、「ホエイの摂取量→血中IGF-1→大腸がん」という一連の流れを直接確かめた研究は、見つかりませんでした。
3つの話でワードが伏せられた理由
3つの話はどれも、実在すると見られる商品・本・人物を指すワードが伏せられていて、その前後に強く否定する言葉や病気の話があります。ワードをそのまま出すと、名誉毀損や信用の侵害、それに人の病気に踏み込む問題になりかねないと考えています。
私たちが具体的なワードを書かないのも、同じ理由です。
読者への考察ポイント
自分が飲んでいる乳酸菌飲料はどちらのタイプか
生菌タイプか殺菌タイプかは、商品のパッケージや公式サイトの表示から確かめられることがあります。「生きたまま腸に届く」といった趣旨の表示があるかどうかを、ご自身で確認してみるのも一つの方法です。
「ごく一部の話」が「全員の話」にすり替わっていないか
健康情報を読むとき、「これはどれくらいの人に当てはまる話なのか」を確かめる視点は、動画の中で示されていた批判の理屈でもあります。同じ問いを、動画自身の主張にも、この記事の内容にも向けてみてください。
「多い」と「原因」は同じではない
ある病気の人に、ある習慣を持つ人が多いように見えても、それだけでは原因とは言えません。比べる相手がいるか、他の要因が調整されているかを、健康情報を読むときの手がかりにしていただければと思います。
相関と因果の違いをもう少し詳しく知りたい方には、次の本が参考になります。
まとめ
動画でワードが伏せられた3つの話について、動画で言っていることが本当かどうかを調べました。乳酸菌飲料には生菌タイプと殺菌タイプという区分があり、動画の「全部死んでいる」は、伏せられた商品が殺菌タイプなら合い、生きた菌の表示を持つ商品なら合いません。摂った乳酸菌が腸に長くは定着しないことは、日本薬学会の解説に書かれていました。健康本については、本の中身ではなく、動画で使われた「ごく一部の話を全員に広げる」という批判の理屈を、一般論として確かめました。ホエイプロテインと大腸がんについては、摂りすぎと結腸がんのリスクを結びつける研究があるのは赤肉や肉類で、ホエイそのものを調べた研究ではありません。
私たちはニュースの真実を保証しません。ただし、真実を追求し、何を確認できて、何を確認できなかったか、そのプロセスをすべてあきらかにします。
多角検証スコア(Claude × Grok 評価)
| 検証軸 | Claude評価 | Grok評価 |
|---|---|---|
| 1. メディア報道(資金源・国籍が異なる独立したもの) | E | B |
| 2. 一般人の投稿(現地目撃者など) | E | D |
| 3. 公式文書(政府・企業IR等) | B | B |
| 4. 人間心理的分析 | C | C |
| 5. 統計データ | C | B |
| 6. 歴史的文脈 | E | B |
| 7. 地理的・地政学的文脈 | E | D |
| 8. 宗教的・文化的背景 | E | C |
| 9. 経済的利害関係 | D | B |
| 10. 時系列的整合性 | E | C |
評価基準:A=複数の独立したソースで確認済み矛盾なし B=一部確認できたが全ては確認できていない C=確認できたソースと矛盾するソースが混在 D=ほぼ確認できていないソース不足 E=確認不可または信頼できるソースなし。伏せられたワードについては確証が得られていないため、そのワードに関わる報道・投稿・時系列(軸1・2・10)と、地理的・宗教的な文脈(軸7・8)は、Claudeの評価ではEとしています。
評価が食い違った軸について
10軸のうち、3(公式文書)と4(人間心理的分析)はClaudeとGrokの評価が一致し、残る8軸で食い違いました。
食い違いの主な理由は、何を評価したかの違いです。Grokは、伏せられたワードを前提にせず、乳酸菌飲料や大腸がんといったテーマ全体を評価しており、その分だけ高い評価(B・C・D)が付いています。


